シングルビーンチョコとは

Bean to Bar の普及に伴い,カカオ本来の味を楽しむシングルビーンチョコレートが広まっています.
チョコレートは普通いくつかの産地のカカオ豆をブレンドして作ります. それに対し,一つの産地,一つの農園で収穫されたカカオ豆だけを用いて作られたチョコレートのことをシングルビーンチョコレートといいます.
チョコレートは産地によって全然異なった味や風味を持っており,自分好みのチョコレートの味を探す楽しみがあります.

チョコレートの味を決めるもの

  • カカオの品種
    • クリオロ
      苦味の少ないマイルドな味わいとフルーツのような芳醇な香りが特徴で,カカオの品種の中で最も品質が高いとされています.病気への耐性が低いため生産地が限られており,現在の流通量は全体の5%未満といわれています.さら生産性の向上を求めトリニタリオなどとの交雑が進んでいるため,真に純粋なクリオロ種は1%未満ともいわれています.ベネズエラのチュアオで栽培されるクリオロ種は原種に近いとされ,「チョコレートのロマネ・コンティ」として高く評価されています.
      主な産地はベネズエラ,メキシコ,ボリビア,コロンビアなどですが,近年は大手チョコレートメーカーによってクリオロ種の保護が行われており,上記以外にも特定の農園でのみ栽培されている場合もあります.クリオロとはスペイン語で「その土地のもの」というような意味.
    • フォラステロ種
      流通量は全体の80〜90%を占めており,これまで食べてきた一般的なチョコレートといえばだいたいこのフォラステロ種だと思います.カカオ特有の苦味が特徴で,香りはあまりありません.香りが乏しいというと欠点のようですが,これによって他のスイーツに使うことができたり,独自のフレーバーを付け加えることができたり,ブレンドによって独自のタブレットを作成できたりします.
      フォラステロとはスペイン語で「よその土地のもの」という意味で原産地はベネズエラのオリノコ川流域とされています.主な産地はコートジボワールやガーナ,ブラジル,インドネシアなどで耐病性,収穫量に優れているため大量生産されています.
      • アリバ種(ナシオナル種)
        アリバ種とはエクアドルのみに生息する固有種です.フォラステロ種の一種ですがジャスミンのような甘い花のような香りやナッツのような苦みがあるため,フレーバービーンに分類されます.生産地が限られているとても希少なチョコレートです.アリバとは現地の言葉で「川の上流」というような意味があります.
    • トリニタリオ種
      クリオロ種とフォラステロ種の交配種で,その名はトリニダード・トバゴで誕生したことに由来します.クリオロ種の芳醇な香りとフォラステロ種の耐病性を受け継ぎ,フレーバービーンの主流として多くの国で栽培が進められています.
      主な産地はトリニダード・トバゴ,ホンジュラスなどの中米,ベトナムやスリランカなどのアジア,ブラジルなどカカオ栽培新興国に多く見られます.各国で品種改良が進められており,同じトリニタリオ種でも産地によって味や風味は様々です
  • カカオの栽培環境
    カカオの幼木は直射日光を好まないため,カカオと一緒に日影を作る日影樹を植えます.一般にはバナナの木が植えられます.またバナナは農家にとってカカオが実を付け収益になるまでの副収入品としての役割もあります.一方で,収益性や効率化を追求するあまりカカオ農園の生物多様性が失われている点が問題となっています.
    カカオ豆の味はカカオとともに生育する他の植物からも影響を受けているといわれています.バナナだけでなく,アマゾンの原生林のように多様な植物に囲まれた,自然本来の環境でカカオを栽培することの重要性を指摘する研究者もいます.
  • ロースト方法
  • 配合物

カカオの産地

アジア

  • ベトナム
    ベトナムは近年国を挙げて積極的に生産している国です.栽培品種のほとんどはトリニタリオ種ですが品種改良が進んでおり,さまざまな中間種が存在していると思われます.味はベリー系の酸味にナッツの風味,土の香りなどが特徴です.日本から最も近いカカオ生産であるため,近年カカオに関心のある日本のパティシエの視察先として人気です.
  • Minimal
    • カカオ68%
    • カカオ豆,砂糖
  • green bean to bar CHOCOLATE
  • インドネシア
  • パプアニューギニア

アフリカ

  • ガーナ
    世界第2位のカカオ豆生産量,日本の国別輸入量では1位を誇る国.フォラステロ系のベースビーンが多数を占めるため,意外にもシングルビーンで食べる機会は少ないかもしれません.
    • CRAFT CHOCOLATE WORKS
      • カカオ○○%?
      • カカオ豆,砂糖,カカオバター
  • コンゴ
  • カカオサンパカ クゥワシィリ クリオロ
  • カカオ70%
  • カカオペースト,砂糖,カカオバター,レシチン(大豆由来)
  • アフリカ・コンゴの古代クリオロ種を低温ローストによって作成したという一品.口に含んで舌の上で転がすと,ベリー系だけでなくマンゴーやパッションフルーツを思わす南国を思わす情熱的な酸味が弾ける.そして酸味の余韻を残しつつ甘味やほのかな苦味へと転換されていく.チョコレートであるとともにフルーツといっても過言ではないこの鮮やかな風味は他のチョコとレートとは一線を画している.
  • マダガスカル
    カカオ産地のなかでも品質の高い地域の一つとして高い支持を得ています.ベリーのような力強い酸味の中にマイルドな苦みが隠れています.そしてバナナのような甘みとナッツのような香ばしさが湧いてきます.
  • Minimal
    • カカオ85%
    • カカオ豆,砂糖
  • green bean to bar CHOCOLATE

中米

  • ハイチ
    ハイチ産のカカオはバニラのような甘さとミルキーな風味が香り,ナッツのようななめらかな口溶けが味わえます.他の地域に特徴的な酸味や薫香などはほとんど感じません.そのため普段食べ慣れているチョコに近く,ピュアオリジンチョコの入門にふさわしいチョコだと思います.
    • バニラビーンズ
      • カカオ68%
      • カカオマス,カカオバター,アガベパウダー,粗糖,乳化剤(大豆由来)
  • Minimal
    • カカオ70%
    • カカオ豆,砂糖
  • ホンジュラス
    ホンジュラスはトリニタリオ種を中心に栽培しています.その特徴は甘みとフルーティな香りにあり,その甘さはハチミツにたとえられることが多いです.
    • バニラビーンズ
      • カカオ62%
      • カカオマス,砂糖,カカオバター,乳化剤(大豆由来)
      • なめらかな口溶けとともにハチミツのような甘味が広がります.完熟系のフルーティな風味もありますが甘味の方が強いですね.酸味はほとんどなく人を選ばず食べやすいチョコレートだと思います.
  • CRAFT CHOCOLATE WORKS
    • カカオ○○%?
    • カカオ豆,砂糖,カカオバター
    • バニラビーンズの比較してザクザクとした食感.噛むとコクのある酸味が口の中を走り,草のようなワイルドな香りとと苦味が広がります.最後に甘味が広がりますが苦味(+渋み)が残るため,こちらもワイルドな甘さです..
  • green bean to bar CHOCOLATE
    • カカオ65%
    • カカオ豆,オーガニックシュガー
    • なめらかな口溶けから放たれる酸味が強烈です.ひと口目はその酸味に驚かされますが,馴れると苦味の土台を乗り越えて酸味がやって来る感覚が味わえます.風味は黄色系のフルーツでしょうか,でも完熟ではなくまだ青みがかった黄色のような,舌を指す刺激や苦味・渋みを想起するフレーバーです.
  • ニカラグア
    カカオの産地で,ニカラグアはトリニタリオ系の産地ですが,チュノやニカリソ,ルゴソなどと呼ばれる固有の亜種が5〜6種あり,どれを使っているか,どの生産者が作ったチョコレートなのかによって味が異なるため難しいです.ただ,苦みや酸味は比較的弱いので食べやすい部類だと思います.
  • グレナダ
    グレナダはトリニタリオ系の産地です.グレナダのチョコレートはまろやかな味の中にほのかな酸味やスパイシーな香りがあります.突出した味や風味が無いため特徴は捉えにくいですが,バランスが良く味わって食べることができる産地だと思います.
  • バニラビーンズ
    • カカオ58%
    • カカオマス,砂糖,カカオバター,その他(原材料の一部に大豆由来成分を含む
  • トリニダードトバゴ
    • Minimal
      • カカオ72%
      • カカオ豆,砂糖

南米

  • コロンビア
    コロンビアはクリオロ種を中心に栽培されています.その味はベリー系の酸味がクッと広がり,その後にウッディやスモーキーな香りが広がります.この余韻がコロンビア内でも産地によって異なるため難しい味わいだと思います.カカオハンターの小方真弓氏も拠点を置く奥の深い産地です.
  • green bean to bar CHOCOLATE
  • CRAFT CHOCOLATE WORKS コロンビア&シエラネバダ
    • カカオ70%
    • カカオ豆,砂糖,カカオバター
    • 昭和の喫茶店のような木材と煙草の香りが混ざったようなちょっとスモーキーな香りから,アプリコットような酸味が口中に広がりそして甘味へと変わる.ひとつひとつの味が強いため,味の変化がわかりやすい.一欠片ずつじっくりと味わうことのできるチョコレートです.
  • ベネズエラ
  • AMEDEI チュアオ
    • カカオ70%
    • カカオマス,砂糖,ココアバター,バニラ香料,(原材料の一部に乳成分を含む)
    • 口に含んでしばらくは味も風味も少なく,ナッツのような香りとざらざらとした油っぽさを感じます.チョコレートが溶け出すと一気にフルーティな酸味が走ります.酸味は余韻を残さずすっと消えていきます.最後は甘い香りがざらざらとした油っぽさとともに現れ,カカオの風味を残して消えていきます.雑味の無いクリアな味わいが特徴ですが,他の品種のチョコレートと比べると全体的に味の強度が弱いので(繊細なので),じっくりと味わって食べたいチョコレートです.
  • フレデリック・カッセル チュアオ
    • カカオ58%
    • カカオマス,砂糖,ココアバター,香料(バニラ),乳化剤(大豆由来)
    • 口に含んでしばらくは味も風味も僅かです.油っぽさとナッツっぽさとほのかな苦味があるだけです.チョコレートが溶け出すとフルーティな酸味が広がります.アメディと比較して,酸味を感じるまでの時間が若干長く,アメディの晴れ渡る酸味に対しこちらはナッツ感を押し返すような力強さを感じる・・・といえば聞こえが良いですが,言い換えれば曇ったような印象.チョコレートとしては可も無く不可も無く,しかしチュアオというブランドから見ればちょっと勿体ないように感じます.
  • エクアドル
    カカオの産地で,エクアドルはフォラステロ種を中心に栽培されています.フォラステロ種の中でも特に,エクアドルの固有種であるナシオナル種(アリバ種とも,アリバとは現地の言葉で「川の上流」というような意味)が注目され,ジャスミンのような甘い花のような香りとナッツのような苦みが特徴です.
  • ブラジル
    アマゾン川上流はカカオの原産地と考えられており,かつてはクリオロ種が栽培されていました.しかし,病害によってカカオ農園が全滅し,現在はトリニタリオ種の栽培が中心となっています.ブラジルのチョコレートは強い苦みと酸味があり,それはコーヒーに通じるところがあります.口溶けはねっとりとしており,ダークな味が口の中に長居する大人向きのテイストかもしれません.
  • Bonnat Vale do Juliana
    • カカオ77%
    • カカオ,カカオバター,砂糖
      ブラジルのジュリアナ渓谷で収穫されたカカオを使ったシングルビーンチョコレート.なめらかな口溶けが特徴的.酸味を中心とした刺激的な味がありますが,このマイルドな口溶けがその棘を和らげているような感じがします.
      口溶けとともに酸味が口の中に広がっていきます.酸味の後にビターっぽさを感じますが,「苦い」と思うほどにはありません.酸味が静まっていくのと同時にレーズンっぽい風味や甘みが鼻を抜けます.
  • green bean to bar CHOCOLATE
    • カカオ65%
    • カカオ,オーガニックシュガー

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Last-modified: 2016-02-17 (水) 23:53:47 (1310d)